
大事なファイルを削除してしまった、あるいは使えなくなってしまい、それを復元するにはどうすれば良いかをお調べではありませんか?誤操作やパソコン側のエラー等が原因でしょうが、まずはパソコンをいじりまわさずに落ち着いて現状を把握することが、ファイルを復元させる上で最も重要です。
パソコンはウェブブラウザを含むアプリケーションを利用すればするほど、ファイル復元の可能性が低くなってしまうので、もし今すぐに復元したいファイルが使用中のパソコンにあるならば、この記事自体もスマートフォンなど別のデバイスから読むことをオススメします。
ここではファイルを失った原因に応じて、どのような対処法がとれるかを見ていきます。今まさに誤操作によってファイルを消してしまったというのであれば、まずは落ち着きましょう。冷静に対処することができれば、自力でファイルを復元できるかもしれません。
- 2-1. そもそもファイルの削除とは?
- 2-2. ファイル復元は早さがカギ
- 3-1. ファイル復元ソフトを利用
- 3-2. バックアップから復元する方法
1. どのようにファイルを消失したかで対処法は異なる
誤消去なのか、パソコン側のエラーなのか、それとも物理障害が発生しているのか? あなたがどのようにファイルを失ったのかによって、対処法は異なります。
■誤消去
ゴミ箱を空にした、直接消去した([Shift]キー+[Del]キー)、ディスクをフォーマットした、パーティションを変更した、など。
【対処法】
データそのものはパソコンに残っているので、自力で復旧作業が可能
■パソコン側のエラー
パソコンが立ち上がらない、ハードディスクが認識されない、ウイルスによるファイル破壊、ディレクトリエラー、システムエラー、など。
【対処法】
データ復旧業者に依頼するのがベスト
■物理障害
パソコンを落とした、パソコンを水没させた、など。
【対処法】
データ復旧業者に依頼するのがベスト
パソコンの知識に自信がないのであれば、誤消去のケースであっても無理して自分で復旧させようとはせずにデータ復旧業者に依頼するのが賢明です。4 .ファイル復元サービスを行う業者を利用にて、業者を選ぶ際のポイントを取り上げています。
2. ファイル削除の仕組み|誤消去なら自力で復元可能
2-1. そもそもファイルの削除とは?
ファイルの削除とは、パソコン上からファイルを消し去っているわけではありません。完全に情報が失われているのではなく、内部的にはファイルのデータが存在しています。ではなぜファイルが見あたらなくなるかというと、削除されたという扱いとなりファイルが置かれているハードディスク上の領域へのリンクがなくなるからです。
この仕組みはUSBメモリや外付けハードディスク、メモリカード、スマートフォンや携帯音楽プレーヤーなども同様です。
2-2. ファイル復元は早さがカギ
ファイルを削除しても、内部的にそのファイルデータは「上書き可能なデータ」として残存しています。そのデータはすぐに無くなることはありませんが、他のデータが上書きされてしまえば削除されてしまいます。
パソコンは、ウェブブラウザを含むアプリケーションを利用すればするほど、目に見えないところで一時ファイル(テンポラリファイルやキャッシュファイル)というものが保存されていく仕組みになっており、別の新たなデータが元データと同じ領域に保存されてしまうと、元のファイルが復元できなくなってしまうのです。
そのため、できるだけ当該パソコンでの作業を控え、素早くファイル復元の手順を実行するということが、復旧成功のカギとなります。
3. 自力でファイルを復元する方法
自力でファイルを復元する方法は、2つ考えられます。1つは、ファイル復元ソフトを利用して、内部的に存在する消去ファイルを探し当てる方法。もう1つは、普段からバックアップをしている人に限られますが、バックアップから復元する方法です。
3-1. ファイル復元ソフトを利用
3-1-1. ファイル復元ソフトとは
内部的に存在する削除ファイルを探し当てようというソフトです。無料のものから有料のものまで数多くが存在しています。なお、ファイル復元ソフトを利用する際の注意点として、ファイルを復元したいドライブで、ダウンロード・インストールすると、それによってファイルの保存された領域が上書きされてしまう可能性が生じます。
したがって、別のドライブや媒体でダウンロードやインストールして利用するのが鉄則となます。
メリット
- 自力で復元できる
- 無料ソフトもある
- 体験版がある有料ソフトもある
デメリット
- 必ず復元できるわけではない
- 自分の症例にどのソフトが適しているか分からない
- 高度な検索には時間がかかる
3-1-2. 代表的なファイル復元ソフト
ファイルを消失した状況やその後の操作など諸要素が個々によって異なることや、各ソフトでアルゴリズムが異なるため、お目当てのファイルを検出できない可能性もあります。
これらで復元できないのであれば、バックアップからの復元か、業者に依頼するという選択肢になります。
なお、USBメモリ等のパソコン以外の機器に対応しているソフトもあります。
有料ソフトですが、無料体験版において復元したいファイルが検出できるかどうかを確認することができます。使い方が動画で解説されているので、初心者でも簡単に扱うことができます。インストール先は復元したいデータの入っていないドライブにしましょう。
インストールをせずにファイルの検出ができます。たった4ステップの簡単操作なので初心者でも安心です。こちらも有料ソフトですが、無料体験版においてファイル復元の可否が確認できます。
Mac版の有料ソフトです。無料体験版にてデータのスキャンとプレビューが行えるため、お目当てのファイルが復元できるかどうかを確認することができます。
EaseUS Data Recovery Wizard Free /EaseUS
無料ソフトです。ソフトを実行→デバイスをスキャン→プレビュー&リカバリという簡単な3ステップで、ファイルを復元できます。Mac版もあります。
3-2. バックアップから復元する方法
3-2-1. OS搭載のバックアップを利用
普段からOSが搭載しているバックアップ機能を利用している人ならば、その時点のファイルを復元することが出来ます。下記はWindowsやMacで、バックアップから復元する方法のマニュアルです。
3-2-2. バックアップソフトの復元を利用
バックアップ専用のソフトを利用しているのであれば、そのデータから復元できます。あるいはセキュリティソフトを利用している場合は、そのソフトが独自にバックアップをとっている可能性もあるので、確認してみると良いでしょう。
3-2-3. ファイル復元ソフトより確実性で勝る
ファイル復元ソフトは取り戻したいファイルを検出できるかどうか、さらに復元したファイルが正常に動作するかどうか、定かでありません。それに対してバックアップは、保存した状態を復元するというもので、その時点でのファイルを取り戻すことができます(バックアップ自体に不備がない場合)。そのため、確実性という点ではバックアップソフトがオススメです。
データがある程度巻き戻っても良いならばバックアップを、つい最近更新したデータを取り戻したいのであればデータ復旧ソフト(あるいは復旧サービス)を利用するのが良いでしょう。大事なファイルを更新しているときは、まめにバックアップを取ることが重要です。
4. ファイル復元サービスを行う業者を利用
パソコン側のエラーや物理障害が疑われるケースはもちろんのこと、誤消去なのだけれどどうしても復元させたいデータだというのであれば、下手に自力で復元させようとして状況を悪くしてしまうよりも、お金を払ってプロに任せてしまう方が良いかも知れません。
ただし、データ復元の業者は数多くあり、技術力に格差があるといわれています。どこに依頼するかは、初期診断サービスや料金見積もりなど、さまざまな面から吟味すべきでしょう。費用としては、簡単なもので約2万円~、複雑なものなら10万円を超えるようです。
5. まとめ
まずはいつ、どのような状況でファイルを消失したのかという現状分析をしてください。誤操作によるのであれば、以後はパソコンの操作を控えるのが鉄則。別のマシンで復旧作業の準備を進めましょう。
日頃からバックアップをとっているのであれば、ファイル自体は取り戻せますが、バックアップ後の更新は反映されていない状態での復元となります。一方、ファイル復元ソフトを用いれば、最新更新の状態で復元することができますが、確実に復元できるわけではありません。
もしお金を払ってでも復元したい大事なデータであるというならば、信頼のおける業者に依頼するのがベストだといえるでしょう。