中高生のお子さんを守るフィルタリング、iPhone、Androidの導入マニュアル

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お子さんの適切なスマホ利用のために使いたいフィルタリングの基本からiPhone、Androidそれぞれでの具体的な設定方法などを解説します。


中高生のお子さんがいらっしゃる親御さんにとって、お子さんとスマホとの関わりは悩みの種ではないでしょうか。今どき中高生にもなってスマホを持っていないと仲間外れにされてしまうかも知れないと思う一方で、スマホを使うことにはまだまだリスクの多い年齢だともお感じでしょう。

そんな問題を解決する方法として、スマホのフィルタリングがあります。アダルト関連や違法サイト、ドラッグに関する有害情報などを閲覧できないように遮断してくれる仕組みのことで、iPhoneやAndroidの標準機能によって設定することも可能です。

もちろんフィルタリング専用のアプリやサービスもあるので、それらの仕組みを利用しても有害情報から遠ざけることができます。さらに、現在ではフィルタリングアプリの性能が進化しており、お子さんのネット利用を総合的に管理することができるようになっています。

この記事ではお子さんの適切なスマホ利用のために使いたいフィルタリングの基本からiPhone、Androidそれぞれでの具体的な設定方法などを解説していきます。

1.iPhone、Androidスマホを中高生のお子さんに与える親御さんへ

中高生のお子さんの希望により、iPhoneまたはAndroidのスマホを与える親御さんに知っておいていただきたい、フィルタリングの基本的な知識を解説します。

1-1.スマホのフィルタリングとは?

フィルタリングとは「フィルターを通す」という意味で、子どもが接するべきではない不適切なサイトやサービスなどを通さず、安全な情報だけを通す仕組みのことです。

ここでいう不適切な情報とは、アダルト関連や出会い系、違法サイト、ドラッグに関連する情報などといった有害情報の全般です。

1-2.フィルタリングの必要性

中高生の子どもたちというのは好奇心が旺盛で、しかも有害情報などアンダーグラウンドな情報に対する興味も旺盛な年代です。その一方で有害情報に安易に触れてしまうことに対する危機意識は低く、何が正しくて何が間違っているのかという判断能力も未熟です。

そんな世代の子どもたちが簡単に有害情報に触れてしまう状況は、好ましくありません。親御さんにもそのリスクは十分ご存知だと思いますので、それを防ぐための仕組みとしてフィルタリングが重要になります。

1-3.中高生のスマホ利用者を取り巻くさまざまなリスク

中高生がスマホを利用するのにあたって、具体的にどんなリスクがあるのでしょうか。ここまでは有害情報だけに触れてきましたが、それ以外にもリスクはあります。

1-3-1.有害情報
すでに述べてきている通り、フィルタリングの対象となるアダルト関連や出会い系、違法サイト、ドラッグなどに関連する有害な情報です。これらの情報に安易に触れることは教育上好ましくないばかりか、まだ多感な中高生が間違った解釈をしてしまい、犯罪に巻き込まれてしまうリスクにも発展します。

1-3-2.SNSトラブル、いじめ
SNSやメッセージアプリなどがあるおかげで、スマホがあれば手軽にコミュニケーションを取ることができますが、それゆえにトラブルやいじめといったネガティブな使い方が問題にもなっています。

こうした問題が厄介なのは、ネット空間だけではなく現実の人間関係にも悪影響を及ぼすことです。

1-3-3.位置情報による個人の特定
スマホのGPS機能は地図アプリを使う時などに便利ですが、撮影した写真に位置情報を追加してしまい、そこから自宅の場所が割り出されてしまった事例があります。位置情報も含む個人情報の取り扱いがナーバスになっている時代だけに、意図しないところから個人を特定されるような情報を漏洩させてしまうのは、思わぬ事態につながります。

1-3-4.スマホ依存

いつでも持ち歩くことができるスマホは、ついつい使い過ぎてしまってスマホ依存になってしまう人が後を絶ちません。特に中高生の年代はスマホを使いこなし、友達同士でもスマホがなければ連絡もできないほど依存度が高いので、一日中スマホばかり使ってしまうスマホ依存には注意が必要です。

1-4.フィルタリングをする具体的な方法

それでは、具体的にフィルタリングをするにはどんな方法があるのでしょうか。その方法は、3つあります。

1-4-1.スマホの機能

iPhoneやAndroidのスマホには標準の機能としてフィルタリングを設定することができます。特に何かを用意することなく無料で今すぐできるフィルタリングなので、最も手軽です。

その方法は、iPhoneとAndroidでそれぞれ後述します。

1-4-2.キャリアのサービス
NTTドコモやau、ソフトバンクといった大手携帯キャリアには、顧客サービスとしてフィルタリングアプリが無料で提供されています。これを使用するとフィルタリングアプリに求めていることはおおむね可能になるので、3大キャリアを利用している場合は検討したい選択肢です。

1-4-3.フィルタリングアプリ
フィルタリング機能を備えた専用のアプリがあります。iPhone、Androidそれぞれで利用することができるので、大手携帯キャリアのユーザーではない場合や、より多機能なペアレンタルコントロールを手に入れたい場合などに有効です

 

2.iPhoneのフィルタリング設定方法

お子さんに与えるスマホがiPhoneであるという方のための、iPhone環境でのフィルタリング方法を解説します。

2-1.iPhone本体の機能制限機能

iPhone標準機能として、ペアレンタルコントロールを利用することができます。制限できるのはiTune StoreやApp Storeでの購入や不適切な表現を含むWebやコンテンツの閲覧などです。ここではよく使う「有害コンテンツへのアクセス制限」「購入の制限」について解説します。

2-1-1.有害コンテンツへのアクセスを制限する

お子さんが閲覧することが好ましくないコンテンツへのアクセスを制限するフィルタリング機能の設定方法です。

手順①
「設定」→「スクリーンタイム」の順にタップし、「コンテンツとプライバシーの制限」をタップします。

手順②
「コンテンツとプライバシーの制限」をオンにした上で、「コンテンツ制限」をタップします。

手順③
Webコンテンツの中で成人向けのものを制限したい場合は、「成人向けWebサイトを制限」を選択、許可されたWebサイトだけにしたい場合は下の「許可されたWebサイトのみ」を選択します。

2-1-2.iTunes StoreやApp Storeでの購入を制限する

iTunes StoreやApp Storeで勝手に購入をできないように制限をするには、以下の手順で設定をします。

手順①
「設定」→「スクリーンタイム」の順にタップし、「コンテンツとプライバシーの制限」をタップします。

手順②
「コンテンツとプライバシーの制限」をオンにした上で、「iTunesおよびApp Storeでの購入」をタップします。

手順③
インストールを制限するのか、Appの削除、課金を制限するのかという設定項目に進みます。それぞれをタップして適切な設定状態にしてください。

2-2.携帯キャリアのフィルタリングサービス

契約している携帯キャリアのサービスによって、iPhoneで利用するサイトやサービスのフィルタリングを行うことができます。

2-2-1.NTTドコモ(あんしんフィルター)

NTTドコモが提供しているユーザー向けのフィルタリングアプリです。

・あんしんフィルター for docomo(NTTドコモ)

2-2-2.au(あんしんフィルター
KDDIグループのauが提供している、ユーザー向けのフィルタリングアプリです。

・あんしんフィルター for au(au)

2-2-3.ソフトバンク(あんしんフィルター)
ソフトバンクが提供している、iPhoneとiPad向けのフィルタリングアプリです。

あんしんフィルター利用方法(ソフトバンク)

2-3.iPhone向けのフィルタリングアプリを使う

iPhone向けに用意されているフィルタリングアプリをご紹介します。いずれもWeb情報などのフィルタリングだけでなく、ネット利用状況の管理や依存症対策といった総合的なペアレンタルコントロールアプリです。

ノートンファミリー

i-フィルターfor iOS
 

3.Androidのフィルタリング設定方法

お子さんにAndroidスマホを与える方のための、Android環境で可能なフィルタリング方法の解説です。

3-1.Androidのフィルタリング機能

Androidで各コンテンツのフィルタリングをするには、それぞれのアプリで設定をする必要があります。

3-1-1.Chromeで検索結果から有害情報を除外する
Android環境で人気のブラウザであるChromeには、セーフサーチという機能があります。このセーフサーチをオンにしておくと、検索結果から有害情報が除外されます。

手順①
Chromeアプリを開き、右上の三点アイコンをタップして「PC版サイト」にチェックを入れて表示を切り替えます。

手順②
Googleのトップページを開き、左上の三本線アイコンをタップ、「Setting」をタップします。

手順③
検索の設定画面で、「セーフサーチフィルタ」の項目にある「不適切な検索結果を除外」にチェックを入れます。

3-1-2.Google Playで不適切なアプリやコンテンツをブロック

アプリやコンテンツをダウンロードできるGoogle Playから、中高生に不適切な情報をダウンロードしてしまわないように設定する方法の解説です。

手順①
Google Playのトップ画面左上にある三本線アイコンをタップして、「設定」をタップします。「設定」は下のほうにあるので、見つからない場合は下にスクロールしてください。

設定画面の中にある「保護者による使用制限」をタップします。

手順②
次の画面に遷移すると、「アプリとゲーム」「映画」「音楽」という3つのカテゴリーがあります。最初に設定をしようとするとPINコードの入力を求められます。ここで設定したPINコードがないとお子さんが勝手に設定を変更できないので、お子さんに推測されないようなPINコードを入力してください。

手順③
「アプリとゲーム」の設定画面に進むと、どの年齢で制限するかの画面になります。お子さんの年齢に合わせて設定してください。

同様に「映画」のカテゴリーでも以下のように年齢によって制限の度合いを設定することができます。

3-2.携帯キャリアのフィルタリングサービス

Android環境でも、携帯キャリアのフィルタリングサービスを利用することができます。

3-2-1.NTTドコモ(あんしんモード)
NTTドコモがAndroidスマホ向けに提供しているフィルタリングアプリです。

あんしんモード (NTT docomo)

3-2.2.au(あんしんフィルター)
auがAndroidスマホ向けに提供しているフィルタリングアプリです。

あんしんフィルターfor au(au)

3-2-3.ソフトバンク(あんしんフィルター)
ソフトバンクがAndroidスマホ向けに提供しているフィルタリングアプリです。

あんしんフィルター(ソフトバンク)

3-3.Android向けのフィルタリングアプリを使う

Android向けに提供されているフィルタリングアプリをご紹介します。iPhone向けと同様、単なるWebのフィルタリングだけでなく総合的なペアレンタルコントロール機能が搭載されています。

ノートンファミリー

i-フィルター for Android

スマモリ

4.子供の安全なスマホ利用のために心得ておきたいこと

お子さんのスマホ利用をより安全なものとするために、フィルタリングアプリの導入以外にやっておきたいことを4つのポイントにまとめました。

4-1.フィルタリングしていることを周知しておく

フィルタリングをしていることは、お子さんに伝えるべきだと思います。勝手にフィルタリングをしていても吸収力のある年ごろのお子さんにはいずれ分かるでしょうし、無用な不信感を招くより得策と言えます。

フィルタリングをしているのは子どもの安全のためであることをしっかり伝えることが、長い目で見た時に親子で信頼関係を構築しやすくなります。

4-2.普段からスマホ利用に付きまとうリスクや危険を教える

スマホはとても便利なツールであるがゆえに、そのリスクも小さなものではありません。大人ですらスマホの使い方が原因でトラブルに巻き込まれることはあるのですから、これからスマホを利用していくお子さんにはそのリスクやリテラシーについての教育はとても重要です。

実体験も交えて「変な使い方をすると重大な事態を招く」という可能性を理解させておきましょう。

4-3.親も常に勉強する姿勢を持とう

お子さんの本音としては、思う存分スマホを使いたいと思っていることでしょう。親御さんとしてはそれにブレーキをかける立場なので、正しいことを伝えるためには十分な説明と説得力が欠かせません。

スマホを巡るリスクは常に変化しているので、親も一緒に勉強していくというスタンスを持つことが重要です。お子さんのために親も勉強しているという姿を積極的に伝えるようにしてください。

4-4.フィルタリングを解除してほしいと言ってきたら丁寧に話し合う

前項で述べたように、お子さんの本音は「フィルタリングなしで思う存分スマホを使いたい」となると思います。フィルタリングをしていることに対して窮屈さを感じた時には、それを解除してほしいと言ってくるかも知れません。

そんな時は「まだ子どもだから」と頭ごなしに否定するのではなく、その理由を聞き、それが正当なものであれば一部それを解除するなど丁寧に話し合って柔軟な対応をとるのが理想です。

話を全く聞き入れてもらいない相手に、お子さんは本心を打ち明けてはくれません。親子の信頼関係構築という意味でも、フィルタリングの話をする機会はチャンスとも言えるのです。

5.まとめ

iPhoneとAndroid、それぞれのスマホをお子さんに与える親御さんが知っておくべきフィルタリングの知識をお伝えしてきました。警察も未成年者のスマホ利用にはフィルタリングを強く推奨しており、リスク回避の手法としてすでに一般的なものとなっています。

しかし、フィルタリングは方法論の1つであって、お子さんを守るためのすべてではありません。重要なのは親子で信頼関係を持ち、その上でフィルタリングを有効に活用することです。

※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。

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