
なぜだか原因が分からないけれど、迷惑メールが大量に届くようになってしまった…そんな経験はありませんか。
私たちに迷惑メールが届くのは、ショッピングサイトやプロバイダなどが個人情報を漏えいした場合に限りません。現実社会に名簿業者がいるように、インターネットの世界にもアドレス収集者が存在し、あらゆる手段で情報を集めているのです。そしてアドレス収集者が迷惑メール送信者にリストを渡し、それを基に私たちへ迷惑メールが届くという流れになっています。
自分のメールフォルダが、読みたくもない迷惑メールであふれかえってしまうのは腹立たしいですよね。
ですが、迷惑メールの対策にはセオリーがあります。まずスマホやパソコンにできるだけ届かないように、事前に迷惑メールをブロックします。そして、それでもなお届くものに対して、しかるべき考え方で対処すれば良いのです。
ほとんどの迷惑メールは、ユーザーに責任はありません。大切なのは、来てしまうことを前提として冷静に対応することです。誰にでもできるシンプルな迷惑メール対策を、ぜひこの記事で学んでください。
1.いつの間にかアドレスを知られ、迷惑メールが大量に届く
1-1.アドレス収集目的のサービスを利用してしまった
懸賞サイトや出会い系サイト、メール転送サービスなどには、個人情報収集を目的とした悪意のあるものもあります。一見して一般的なインターネット上のサービスなので、気づかずにメールアドレスなどを登録すると、収集された個人情報が業者経由で迷惑メールの送信元に売却され、大量の迷惑メール送信が始まります。
こうしたサイトを利用しないことが一番ですが、サイトが信頼できるかどうかは、運営している会社を検索することで分かる場合があります。会社情報自体がない場合は、それだけで信頼できないと言えます。
またホームページやブログ、掲示板などに直接書き込まれたメールアドレスも、アドレス収集者に回収される対象となります。
上はとあるフリーライター募集掲示板に書き込まれていたメッセージです。この画像では修正していますが、青い文字の名前部分にカーソルを置くと、簡単に投稿者の携帯メールアドレスが表示されました。このようにインターネット上に直接書き込まれたメールアドレスは、アドレス収集業者にリスト化される可能性があります。
もちろんTwitterやFacebookなどのSNSや、個人ブログのプロフィール欄などに掲載されたアドレスも同様です。インターネット上に、直接メールアドレスを掲載することはリスクが非常に大きいです。
1-2.ランダムな宛先に無差別送信したメールが届いたケース
アドレス収集者はメールアドレスをランダムに、あるいは予測して生成し、無差別送信したうえでアクティブなものを探し当てるという強引な手法も用います。そのため、誰にも教えていないメールアドレスへ迷惑メールが届くという事態も起こります。
シンプルなアドレスは、複雑なものと比較すると、かなりの高確率で発見されてしまうと言えます。
また、@より前のアドレス部分を、メジャーな人名などよくありそうな文字列に定め(taro_yamada@ など)、@より後ろのドメイン部分は実在するサービス(@gmail.com、@yahoo.co.jpなど)を複数当てはめて、迷惑メールを送信するやり口もあります。こういう例から、アドレスの文字列に意味がないほうが迷惑メールが来にくいと言えます。
2.迷惑メールを今すぐシャットアウトする方法
迷惑メールを遮断するステップは以下になります。迷惑メールを100%シャットアウトすることは現状できません。しかし大幅に数を減らすことは可能なので、そのやり方を紹介します。
2-1.ユーザーに届く前にサーバ側で処理する
スマホの携帯アドレスへの迷惑メールなら、docomo、au、SoftBank、パソコンとインターネットをつなぐプロバイダならocn、nifty、so-netなど、通信業者側での対策設定を有効にすることで、端末に届く前に排除するのが第一の対策となります。
2-2.端末でのフィルタリング
通信業者側での対策設定をかいくぐって本体に届く迷惑メールについては、本体のフィルタリング設定で迷惑メールフォルダに隔離します。
通信業者側での対策、ならびに本体側でのフィルタリングについては、迷惑メール断固拒否!携帯3キャリア&PCの簡単設定法をご覧ください。
3.それでも送られてくる迷惑メールの対処法
3-1.サービス登録用のサブアドレスを使う
Webで何かしらのサービスを利用する場合、そのほとんどでメールアドレスの登録を求められます。それに対しサービス登録だけに用いるメールアドレスを持つという手段も有効です。
GmailやYahoo!メールなどのWebメールは、無料で取得でき、どの環境でも開け、そして強力な迷惑メール防止機能が最初から備わっているため、外部に登録するメールとして適しています。
3-2.迷惑メールの内容に興味を持たない
迷惑メールは、普通の方法ではオススメできない、広告を打てないアンダーグラウンドな商品やサービスをアピールするものです。人間の欲望に訴えかけるような刺激的な言葉を並べ立てるのが特徴ですが、そういう性質のものだと理解し、内容に興味を持たない、信じないことが重要です。
またよく見れば、迷惑メールにはいろいろおかしなところがあるものです。上の例なら、まず(1)の送信者アドレスに注目してください。@nrakuten.co.jpが送信元ドメインになっていますが、明らかにrakuten.co.jpに似せており、rakuten.co.jpを受信許可しているアドレスに届けるための策であることは明白です。また(2)の宛先にも注目。送信先が電話番号になっているのにこちらに届いたのは、BCCにメールアドレスを入れての一括送信だからです。このような送り方で、大切なメールを送信するはずはありません。
3-3.セキュリティソフトを使い、受信も送信も拒否
セキュリティ対策をしていないパソコンをウイルスに感染させ、遠隔操作ができるソフトを仕掛けるという手口もあります。知らないうちにパソコンを操作され、迷惑メール送信の加害者となってしまうこともあるわけです。最近のパソコンは高スペック化していることもあり、自分が迷惑メールの送信元にされていても気づかないことも大いにありえます。
この被害に遭わないためには、セキュリティソフトを使用してパソコンを守ることが有効です。最近はウイルス対策だけではなく、迷惑メール対策も備えたソフトが増えています。
詳細は緊急対策!Windowsセキュリティの見直しと危機を参照してください。
4.まとめ
迷惑メールが届くのは、アドレス収集者があらゆる手段を使って私たちのメールアドレスと探し出すことがそもそもの原因となります。悪意あるサイトで騙して情報を入力させるケースもあれば、ランダムにアドレスを生成し、アクティブなものを探し当てるという力業も用います。後者のような手口を用いられる以上、メールアドレスを完全に守りきることは難しいと言えるでしょう。
だからこそ、迷惑メールをシャットアウトする手段を知ることが重要になります。また、私たちのパソコンを乗っ取って迷惑メールの送信元とするウイルスも存在するので、そのターゲットにならないよう、セキュリティの対策を取る必要もあります。