
家族を有害サイトから守るために、Webのフィルタリングをしようとお考えではないですか? あるいは企業や組織のネットワークを守りたいという人もいるでしょう。
ここではまず、フィルタリングのイロハをお伝えすることから始め、それからPCで子供を守るためのフィルタリングと、ビジネス向けのフィルタリングに大別して、その方法を詳しく見ていきます。
子供向けのフィルタリングとしては、無料で行う方法もありますが、お金をかけてしっかりと対策することが推奨されます。有害サイトから守るという意味もありますが、同時に架空請求等の詐欺行為も封じることができるからです。
またあわせて、携帯電話やスマートフォンでフィルタリングする方法もまとめました。各キャリアのサービスは無料提供されていますので、これを利用すると良いでしょう。
1.フィルタリングとは
2.フィルタリングを利用する方法
3.子供向けのフィルタリング
4.ビジネス向けのフィルタリングソフト
5.携帯電話(スマートフォン)でもフィルタリングが可能
6.まとめ
1.フィルタリングとは
フィルタリングとは、インターネット上の不要な情報を遮断する、閲覧できないようにすること。インターネットと利用者の間に位置して、安全なサイトと有害なサイトに区別する役割を果たします。もともとの英単語としての意味は「選別」「ろ過」などの意味を持ちます。
1-1.有害な情報から子供たちを守る
家庭や学校等で用いられるのが、一般的なフィルタリングとして知られています。インターネット上の有害な情報からの青少年保護を目的として、性的、反社会的な情報等が含まれたサイトを選別し、閲覧できないようにするものです。フィルタリングの副次的な効果として、悪質なサイトによる不当請求等の詐欺行為から回避できる可能性も高くなります。
1-2.企業や組織のネットワークを守る目的も
子供たちを守るという保護者目線の目的がある一方、企業や組織のネットワークを守るというビジネス向けの側面もあります。こちらは任意の設定ポリシーに応じたアクセス制御が可能となっており、マルウェアの侵入をはじめ、情報漏洩対策やサイバー攻撃等のリスクを防ぐというセキュリティ効果が得られます。
2.フィルタリングを利用する方法
フィルタリングを利用するには、フィルタリングソフトをPCにインストールするのが一般的です。その他、ルータ(PCとインターネットを中継する通信機器)に搭載されたフィルタリング機能を使用するなど、別の方法もあります。
2-1.フィルタリングソフト
セキュリティソフトには有料のもの以外にも、多くの優れた無料のものがありますが、フィルタリングソフトに関しては有料のものに優位性があるといえます。導入するのならば、しっかりと予算をかけると良いでしょう。
フィルタリングの市販製品は、年額払いが一般的です。その一方、プロバイダがフィルタリングベンダーと提携してサービス化したソフトもあり、こちらは月額払いで利用できるのが利点です。
2-2.その他
≪子供向け検索エンジン≫
子供用の検索エンジンがあります。子供にとって有害なページを除いた範囲が対象となります。
文典:Yahoo!きっず
≪Windowsのファミリーセーフティ機能≫
Microsoftが無料で提供しているWindows Essentialsに「ファミリーセーフティ」というプログラムがあり、これでフィルタリングができるようになっています。
≪セキュリティ会社のツールでフィルタリング≫
有料セキュリティソフトを販売している会社の中にも、フィルタリング機能のソフトウェアを提供しているところがあります。
文典:ノートン ファミリー
≪ルータでフィルタリング≫
ルータには、それ自体がフィルタリング機能を有しているものもあります。ルータ配下のすべてを管理でき、携帯ゲーム機等も対象となります。
文典:I-Oデータ
3.子供向けのフィルタリング
子供向けのフィルタリングをしたいという人のために、有料で行う方法と、無料で行う方法を挙げていきます。目的や予算に合わせて選択すると良いでしょう。
【環境・目的・予算別|推奨フィルタリング方法】
・家庭のPC1台を、有料でしっかりフィルタリングしたい
⇒3-1-1.PTA推薦フィルタリングソフト
⇒3-1-2.プロバイダが行うフィルタリングサービス
・家庭の全てのネット機器を、有料でしっかりフィルタリングしたい
⇒3-1-3.ルータでのフィルタリングサービス
・手間をかけずに無料で、簡単なフィルタリングを試したい
⇒3-2-1.子供向け検索エンジン
・無料でフィルタリングを試したい
⇒3-2-2. Windowsのファミリーセーフティ機能
⇒3-2-3. ノートン ファミリー
⇒3-2-4.プロバイダの無料サービス
3-1.予算をかけてしっかりフィルタリングする
3-1-1.PTA推薦フィルタリングソフト
i-フィルター6.0/デジタルアーツ
家庭向けフィルタリングソフトのシェアNo.1で、日本PTA全国協議会が推薦しています。家族一人一人に合わせて設定できる、インターネット利用状況を外出先からチェックできるなど高機能でありながら、それを簡単に使いこなせるインターフェイスになっています。Windows版、Mac版ともにあります。
3-1-2.プロバイダが行うフィルタリングサービス
月額200~300円で利用できるのが一般的です。プロバイダによっては上述の「ifilter」と提携しているものがありますが、機能は限定されます。基本的なフィルタリングだけで良いという人向けだといえます。
≪主なプロバイダのサービス例≫
OCN「有害サイトブロックサービス」
トレンドマイクロ社「InterScan Web Manager ホームエディション」を使用。
biglobe「Webフィルタリングサービス」
デジタルアーツ社「i-フィルター」を使用。
So-net「サイトセレクト」
アルプスシステムインテグレーション「InterSafe」を使用。
@nifty「Webフィルタ」
デジタルアーツ社「i-フィルター」を使用。
yahoo! BB
PC版サービスは終了しています。現在はスマホ、タブレット向けのみ。
3-1-3.ルータでのフィルタリングサービス
ルータは、インターネットの出入り口となる箇所。ここで、その配下となる機器をフィルタリングできます。パソコンだけでなく、ゲーム機等も対象となりますので、それらも含めて管理したい人におすすめです。
I-Oデータ
フィルタリング機能が搭載されているルータで、家じゅうの機器を管理可能。フィルタリングのレベルも設定できます。
BUFFALO
対象ルータで「有害サイトブロックサービス」を利用できます。
3-2.無料でフィルタリングをする
3-2-1.子供向け検索エンジン
フィルタリング機能が搭載された子供向け検索エンジンは、有害な情報のない安全なページだけが表示される仕組みになっています。また、子供たちが書き込んだ投稿内容も専門のスタッフが確認した上で掲載しています。
3-2-2. Windowsのファミリーセーフティ機能
Windows Essentialsの一部機能に、ファミリーセーフティがあります。無料なので気楽に利用することができます。バージョンによって手順が異なるので、下記を参考にしてください。
⇒Windows Vista
⇒Windows 7
⇒Windows 8
3-2-3. ノートン ファミリー
ノートンが販売しているセキュリティソフトノートン 360ではフィルタリング機能「ノートン ファミリー」を利用できます。(スタンダード版除く) ノートン360プレミアムであればノートンファミリー プレミアも含まれているため、何を購入することもなくそのまま使用することができます。
3-2-4.プロバイダの無料サービス
プロバイダの中には、フィルタリングサービスを無料提供しているところもあります。まずは利用しているプロバイダのサイトを調べてみると良いでしょう。
plala「ネットバリアベーシック」
無料で利用できます。警視庁などの有害サイトリストを参照してフィルタリングします。
j:com「無料セキュリティー」
マルウェア対策を始めとする総合セキュリティ機能の中に、フィルタリングも含まれています。
4.ビジネス向けのフィルタリングソフト
ビジネス向けのフィルタリングソフトは、インターネット環境とともに日々進化していますので、最新版を利用することが推奨されます。
⇒InterSafe WebFilter/アルプスシステムインテグレーション
⇒i-フィルター/デジタルアーツ
5.携帯電話(スマートフォン)でもフィルタリングが可能
PCだけではなく、携帯やスマホでもフィルタリングができます。キャリア各社は無料でフィルタリングサービスを提供しています。利用には申し込みが必要なところもあります。
NTT DOCOMO「アクセス制限サービス」
無料で利用できますが、申し込みが必要です。制限範囲の異なるフィルタリングのレベルを、子供の成長に応じて変えることができます。
KDDI「安心アクセスfor Android」
KDDI「安心アクセスfor iOS」
申し込みせずに、無料で利用することができるフィルタリングブラウザです。Wi-Fi通信にも対応しています。
SoftBank「ウェブ安心サービス」
SoftBank「Yahoo!あんしんねっと for SoftBank」
前者は無料で(S!ベーシックパックは、月額使用料300円がかかります)利用できますが、申し込みが必要です。4段階のフィルタリングを選べます。後者は申し込み不要、無料で利用可能。成長に合わせた5段階のモードを選択できます。
Y!mobile「フィルタリングサービス」
無料で利用できますが(スマホ安心サービスのオプションは300円)、申し込みが必要です。端末によってフィルタリングできる内容が異なります。
6.まとめ
フィルタリングによって子供を守るという意味では、PCだけではなく携帯電話やスマートフォンの対策もとりたいところです。
PCは有料サービスが優れていますので、しっかり対策をしたいならばお金がかかります。とはいえ、無料でフィルタリングサービスを提供しているプロバイダもありますので、まずはご利用のプロバイダを調べてみましょう。
その一方、携帯・スマホのフィルタリングは原則的に無料で行えるので必要に応じて利用したいところです。